2004-05-28

「マスメディア」の定義について考えてみた・3

続き

 上記以外の、例えばポータルサイトには

1-a. 情報、およびその整理

はありますが、

1-b. 思想・価値観、およびそれらの整理

はほとんど存在しません。存在したとしても、それはたいてい既存のマスメディアからの引用だったりします。

 インターネット(および関連企業)が将来的にマスメディアを目指すのであれば、「1-b. 思想・価値観、およびそれらの整理」をもっと重視していくべきでしょう。

 最近blogが流行った理由のひとつは、おそらくそこに「思想や価値観」があったからだと思います*1。インターネット上にはほとんど「情報」のみだったのが、blogブームで「思想や価値観」を目にする機会が増えましたから。

 かつてのホームページブームとの類似が指摘されていますが、もしそれが正しいとするならば、ホームページブームの時にYahoo!Googleが「情報の整理」をすることで評価を得たように、「思想や価値観の整理」をすることこそが今後は重要になっていくでしょう。

 その一歩としてはlivedoorの「未来検索」は評価されるべきと思いますが、もしこれが「情報の整理」のみに留まっているのであればすぐに競合に埋もれてしまうでしょう。

ソーシャルネットワークが駄目な理由

 ソーシャルネットワークが駄目だと思う理由のひとつは上記によるものです。

 僕の知っている範囲では、ソーシャルネットワークにはせいぜい「価値観」があるくらいでそれの整理もなされていないし、思想もないように見えますから。

 それにソーシャルネットワークは結局は「出会い系」なわけで、次の新しい出会い系の出現があればなくなるでしょうし、出会い系の向こう側にあるモノが出てくるようになれば、いっせいにそこへ向かうと思うんですけれどね*2

*1:blogが一般的になったことに対して不満があるのは、おそらく「思想や価値観」が薄くなってしまったからでしょう。

*2:もっとも、「出会い系」はけっこう長く生き残っている現象だから、しばらくは無くなったりしないでしょうけれど。