新型コロナ感染拡大対策、の確認
どこかに整理している記事もありそうだけど、自分の理解もかねて。
とりあえずモデルとして感染者1人が1.5人に感染させる、という前提で考える。
(感染者120人がいると180人に感染させる)
人流を減らす
感染者の識別は難しいから全体を減らそう、というもの。
感染者120人のうち80人しか出回らない(1/3を抑制)なら次の感染は120人に抑えられるし、60人(1/2を抑制)なら90人に抑えられる、みたいな計算のはず。
(実際には接触の機会が減るのでもっと減るはず、みたいな複雑な話は今回は捨てる)
保健所による追跡調査
感染者を見つけて次の感染を起こす前に隔離しよう、というもの。
感染者120人のうち次の感染を出す前に40人(1/3)見つけて隔離すれば、次の感染は80人の感染者が引き起こす120人に抑えられるはず。
実際に次の感染を出す前にどれくらい見つけられているのかは分からないけど、感染者が少ない状況のときは相応に効果を上げているように見える(前述の1/3より多く見つけていそう)。
逆に感染者が増えすぎると調査が追いつかず感染を出す前に見つけられていないように思う。
「PCR検査を増やそう」というのは、ここでの感染者の見落としを減らしたいためだろう。
スプレッダー(クラスター)対策
感染者全員が次の感染を引き起こしているのではなく、一部の感染者(スプレッダー)が多くの感染を引き起こしているらしい。
例えば、感染者120人のうち他者に感染させる人が30人しかいないとして、それぞれ6人に感染させているとトータルで180人に感染させることになる(感染者120人が180人に感染させるのと同等になる)。
であれば、この30人を見つけて隔離すれば広がらないはず、というもの。
例えばスプレッダーの条件および比率が
- 生活を共にする(10人)
- 飲酒を伴う外食(5人)
- 3密(5人)
- その他(10人)
――であれば、「3密」「飲酒を伴う外食」をなくすことで次の感染者を減らせる(20人が120人に感染させる)ことになる。
実際にはスプレッダーの条件・比率が明確でないため、その線引きに揉める要因があるのだろう。
(上記なら「3密」は条件としてはあまりよくなく、「会食」のほうがいいかもしれないし)
先日「高リスク者が全員感染し隔離されると新規感染者が減るのでは?」という与太話があったけど、スプレッダーが減るから減るはずなんだよね。前述の「その他」が全て「高リスク者」なのだとすれば、それだけで感染拡大者の1/3が減るわけだし。
対策の組み合わせ
スプレッダー対策と追跡調査で感染拡大者をそれぞれ2/3にできる(1/3を減らせる)のであれば、感染拡大者を4/9に減らすことになるはず(120人のうち53人が感染拡大者として80人に感染させる)。
実際にはそこまで減っていないのは、前提の「感染者1人が1.5人に感染させる」(再生産数=1.5)より多いからだろう。
再生産数を変えた場合、
- 再生産数が3の時、感染者120人のうち拡大者を4/9に減らしているなら、次の感染者は160人
- 再生産数が6の時、感染者120人のうち拡大者を4/9に減らしているなら、次の感染者は320人
――程度になるはずだけど、そこまで多いようには見えない(人流で減っている分があったとしても)。
であれば、スプレッダー対策と追跡調査はもっと効率がよいのかもしれず、例えば拡大者をそれぞれ1/2に減らしているのであれば、
- 再生産数が3の時、感染者120人のうち拡大者を1/4に減らしているなら、次の感染者は90人
- 再生産数が6の時、感染者120人のうち拡大者を1/4に減らしているなら、次の感染者は180人
――になり、再生産数が3程度であれば人流を減らさなくても大幅に減るし、再生産数6程度なら人流を2/3程度にする必要がありそうに見える。
ちなみに与太話で書いた「高リスク者感染隔離」が本当に1/3程度になるなら、それだけで次の感染者は120人程度になり、人流が少し減れば次の感染者は減っていきそうである。
また「飲酒を伴う外食」がスプレッダーとして1/6程度寄与しているのなら、それが可能になった時にそこそこ感染者が増える傾向になりそうな気もする。
(このあたりスプレッダー要素の寄与度は全然分からないからねぇ)