モデルナ製ワクチンの都道府県別配分状況(および配分傾向で気になること)
モデルナの配分計画について公表されているものは見つけられなかったのだけど、首相官邸のワクチンページの「都道府県別の実績」にワクチン種別による接種回数と供給量が記載されているのが分かった。
こちらはエクセルでも公表されてるので便利。
(供給がいつだったのかは分からないので、このファイルをクロールしてるメディア等がいるだろうから、そのうちどこかで公開して欲しい)
とりあえず2021-10-04時点のデータをコピペし、モデルナ分を加算してみた。
モデルナ分を加算した感想は以下の通り:
- 現在の予定では12歳以上人口の約86%分の配分が実施される模様
- モデルナの未配分が850万人分程度あるので、今後は主にそれが使われるのだろう(当初の計画よりモデルナが使われていないのは、輸入が遅れた混乱によるものかな?)
- ファイザーの配分が8割を超えていた秋田、和歌山、宮崎はモデルナの利用が少ないため合計確保量としては84%未満と低めになっている
- ファイザーもモデルナも多いのは山梨で、9割以上になっている(なぜ多かったのかは気になるところ)。また茨城、新潟はモデルナを足すと9割前後になっている
- ファイザーが少なめだった宮城、群馬、愛知はモデルナを含めると88%以上を確保していた(これは予想通り)。
- 三重がやや少なめなのは愛知で接種しているからなのかは気になるところ
- 東京は100%を超える量を確保している。ただし隣接する埼玉、千葉、神奈川が非常に少なくなっている
- これはおそらく「東京で接種しているから」ということなのだとは思うけれど。裏を返すと「東京に出てこい」ということなので、これの功罪については検証すべきだろう(少なくとも東京はかなり優遇されていたと言えよう)
- 大阪もモデルナを加えると多くなるが9割に満たないため、東京ほどの集中ではない。隣接する京都、兵庫がやや少なめなのが気になるところ(大阪で接種している前提なのかどうか)
- 島根はモデルナを足しても約81%で、かなり少ない配分になっている。隣接する県で接種している感じでもなさそうなので、気になるところ。
- 現状の接種率そのものは低いわけではないので(消化率が高い)、今後モデルナの配分が増えるのかもしれない
ついでに、64歳以下への配分がどの程度なのかも推計してみた。
65歳以上の接種率が9割程度とのことなので、総数から65歳以上人口の9割を引いて、それを64歳以下の接種対象人口と比較したものである。
(実際は都道府県毎に65歳以上の接種率は違っているためそれを考慮すべきだろうけど、今回はそこまではしない)
64歳以下の配分推計についての感想は以下の通り:
- 64歳以下に対しても85%程度のワクチン配分計画になっている
- ただし、自治体(都道府県)による差が非常に大きく、今後問題になるかもしれない
- 64歳以下のワクチン配分量が多い(9割前後)のは 宮城、茨城、群馬、新潟、山梨
- 64歳以下のワクチン配分量が少ない(8割未満)なのは 秋田、福島、島根、広島、徳島、高知、福岡、大分、宮崎、鹿児島
- これらの県では今後モデルナの接種を進めないと問題が起こりそう
- 東京は109%なので非常に多いが、隣接する埼玉、千葉、神奈川が非常に少ない(千葉、神奈川は7割前半)
- 三重は8割未満で少ないが、愛知で接種しているためなのかは気になるところ(合計すれば標準的な量になる)
- 大阪が9割弱の配分でやや多いが、これも京都、兵庫の分を含んでいるのだろう(合計すると「やや少ない」程度になる)
- 上記の以外でも配分が少なめに見える県はかなりあり、今後は地方から「ワクチンが足りない」という話が数多く出てくる可能性がある
- 元々モデルナの利用が少ないところは職域でまとめることが難しいのだろうから、県庁あたりが主導して集団接種会場を作るしかなさそう