そもそも「広いメディア」ってそんなにあるのかな?

そもそも「広いメディア」ってそんなにあるのかな?

 この記事を読んで違和感があって気になってたのですが、そもそもこの記事で言う「広いメディア」ってかなり特殊な存在のような気がします。

 例えばテレビを「広いメディア」としているけれど、ほとんどの番組はターゲティングされている=「狭い」ような気がしますし、ここで言われている「広いメディア」に該当するのは「テレビ・ラジオのニュース番組」くらいじゃないでしょうか。

(新聞=広いメディアというのは一般紙のみしか念頭にない思考でしょう)

 そういう意味では「広いメディア」「深いメディア」という区分けをしてもあまり意味がない気がするんですよ。

 あの記事で分けるべきはおそらく広い/深いではなく「ニュース(速報性・時事性があるもの)」と「ニュース以外」なんじゃないでしょうか。

 ニュースサイトは比較的記事の量産が可能なため、「狭い」ニュースサイトは昔から沢山成立しているわけです(例えばImpress Watch等)。対して、ニュース以外で記事を量産しようとした結果がまとめ(キュレーション)サイトだったように見えるんですよね。

(なので、僕は広さよりも時事性で分けた方がしっくりきます)

 またあの記事では雑誌を「深い」としていますが、実際の雑誌はターゲッティングしている(=狭い)うえで、雑誌によって「浅い」ものもあれば「深い」ものもあるわけです。

(深い/浅いという言い方よりも「軽い」「重い」と言った方が通じるかもしれません)

 そういう意味では「MERY」が(狭い)ターゲットにちゃんと刺さっていたのは間違いないものの、別に「深い」メディアにはなってはいなかったんじゃないかと思うんですよね。雑誌として見た場合にはおそらく「軽い」に分類される雑誌だったんじゃないかという気がしますし。

(実際にMERYの記事を分析できてはいないので、実際にどうだったのか分からないのは残念なところです)

 そんなわけで徳力さんが今後も「広い」「深い」という方向性で分析を進めていくのであれば、おそらく全然役に立たない分析になるんじゃないかな?という気がしています。