電子書籍を年間1,000点刊行する方法を考えよう
電子書籍を年間1,000点刊行する方法を考えよう
impress QuickBooksは年間1,000タイトルを発行するという野心的な試みらしいです。どれくらい野心的かというと、毎月83タイトル程度刊行するくらい野心的です。たぶん既存の編集部でこのペースで刊行しているところはないと思いますし、出版社単位で見てもかなり大手になるんじゃないでしょうか。
いやいや、QuickBooksは「通常の書籍より分量が少ない」から実現可能だとおっしゃる方もいるかもしれません。でも少ないとはいえ通常の新書の3割~4割程度はあるわけです。それを毎月83タイトル出すわけですから、相当量の原稿が集まることになります。通常の新書にして25~30タイトル分の分量です。それを校正することを考えると僕なら途方に暮れます。
しかも著者を相当数集めなくちゃいけません。1人1タイトルとは限りませんが、1人4タイトル出したとしても250人の著者が必要になるわけです。250人と打ち合わせをする事を考えるとやっぱり途方に暮れてしまいます。
そんな感じで僕にはちょっと信じられない刊行ペースなのですが、それをやると言うからには実現する方法が見えているに違いありません。
もうちょっと現実的な方法を考えてみましょう。
年間1,000タイトルを週に換算すれば毎週20タイトル程度になります。であるなら、著者を20人集めて毎週刊行すれば打ち合わせは20人で済みます。
毎週相当量の原稿を書いてくれる著者を20人集めるのは難しいかもしれませんが、250人と打ち合わせするよりは遙かにマシな気がします。漫画雑誌だって週刊ペースで刊行されてるわけですし、たぶん大丈夫です。
あるいは毎月刊行の著者を20人と、毎週刊行の著者を15人でもいけます(ただ、月刊40人と週刊10人とかになると厳しそうな予感がします)。
同じ著者が定期刊行する聞くと別のモノを想像するかもしれませんが、そんなことは気にしちゃいけません。
(ぶっちゃけ将来的には使い回してもいいんでは? とも思います。雑誌連載の単行本化みたいなものですし。実はそういう契約をしてるのかもしれませんが)
とはいえ、ある程度の分量を定期的に書ける著者を探すのは大変難しい気がしますので、それはあきらめた方がいいのかもしれません。
定期的にブログに記事を書いている人(ブロガー)と話をつけて、それらの記事を1ヶ月分をまとめたものを刊行した方が手っ取り早い気がします。このときテーマとかで分けると1ヶ月分で1冊にまとまらない可能性がありますので、テーマを絞らずに「1ヶ月分」にしたほうがよいでしょう。「エッセイ集」とか銘打てばテーマがバラバラでもさほど問題になりません。
(章立てしてテーマで分けるのはありかもしれませんが、そこまでコストかけれないでしょうしね)
ただこの手法でもブロガーを80人以上見つける必要があるのが難点な気はします。
記事の量が見込めるという意味では2chまとめサイトを電子書籍化するのが手っ取り早い気もします。テーマ毎にまとまってそうですし。
(個人的には権利処理がよく分からないのでお勧めはしませんが。でも過去に2chまとめっぽい書籍が出てるからなんとかなるんですよね?)
――ここまで書いてから気づきましたが、編集者が少人数であるとは限りませんね。僕はその前提でいろいろ考えてしまってました。
編集者が20人いれば月4タイトル程度なのでなんとかなる気がします。
(編集者を20人も雇って採算が合うのかは分かりませんが、きっとなんとかなるのでしょう)
2012-05-10追記
ふと思い出したのでImpress QukickBooksの刊行状況を確認してみたところ、このペースだと年間100点も怪しいように見えます。
いったいどういう見積もりで「年間1,000点出す」なんて発表をしたのか(そして誰も突っ込まなかったのか)、謎は深まるばかりです。
2014-02-20追記
2013年は113タイトルだったそうです(発表のあった2012年は多分50タイトルくらいかな)。
目標の1/10です。全然足りません。
――つか、結局あれには誰もツッコんでないんでしょうかね。