「アプリ」ではなくて「電子書籍」であるべき理由について書いてる人ってあんまりいないよね。

「アプリ」ではなくて「電子書籍」であるべき理由について書いてる人ってあんまりいないよね。

 「それアプリでいいじゃん!」とツッコミを入れることはあまりないのですが、そういうツッコミを入れられた気がしたので僕なりに「アプリじゃなくて電子書籍であるべき理由」を考えてみました。

 ぼんやりと考えていてなんとなく思いついた「電子書籍」に求める要件はとりあえず1つで、

――かなと。Kindleのような専用端末が重要な理由の1つは、どの「電子書籍」を読む時でも同じインターフェイスで読めることでしょうし。

 ただしこれは全ての「電子書籍」で統一化するんじゃなくて、例えば「漫画」「小説」「実用新書」のように、ジャンル毎に統一されてるのがいいと思います。

 「電子書店が沢山増えてどうするの?」というツッコミをたまに見かけますが*1、電子書店毎にインターフェイスが違っているのであれば、自分に最適なインターフェイスを選ぶという意味では複数あってしかるべきかもしれません。

 この場合は既存の出版物のように、それぞれの電子書店で多くの版元の「電子書籍」を扱うようになるべきでしょうし、だとすれば共通化された「中間フォーマット」があると便利そうです*2

 また、ジャンル毎に最適なインターフェイスは違っているでしょうから、「電子書店」は専門書店化するのもアリかもしれません。漫画はこの書店のインターフェイスが読みやすいし小説ならこっち、みたいな形で使い分けるかもしれませんしね。

 日本だと漫画の専用端末には需要がありそうな気がするのですが(漫画専門書店が沢山存在するくらいですし)、漫画の単価は特に安いために電子版はほぼ間違いなく割高になるでしょうから*3、「電子書籍は安いはず」という妄想をもってる方々が文句を言うだろうと思うとうんざりしますけど。

 いや、僕は漫画専用端末が出て小学館白泉社角川グループあたりの漫画が読めるようになれば多分買うと思うんですけどね。

(具体的には前にも書いたけど藤子・F・不二雄大全集』は電子書籍版が欲しいのですよ)

追記(2010-07-25)

b:id:ks1234_1234 [電子書籍, デジタル配信] ところでiBooksStoreの日本語受付って始まりましたっけ? それこない限りはAppしかないのが実情ではないかと。あと、Appでもベンダーで操作統一は可能。Appはフォント埋め込み可能。まだ2年くらいはAppかなー、と。 [2010/07/24]

 ここで書いている「アプリ」は別にAppleiTunes)とは関係なく、アプリケーションソフトウェア全般を差してます(誤解があったらすみません)。

 でまあ、「アプリ毎に操作統一が可能」なのはその通りと思いますが、どのアプリで操作が同じなのかを自分で記憶しておく必要があるのは面倒な気がしますし、あるいは同一のベンダー(書店・出版社)で操作が同じである保証もないですしね。

追記(2010-08-02)

b:id:takepierrot [電子書籍] 特定の場所や端末に制約されないことが重要だ。端末と鎖でつながれるアプリを買うなら、自分で自炊でもしたほうがましじゃないか。電子書籍はそこ(自炊)を超えるサービス・体験を提供しなきゃいかんと思う。アプリ [2010/08/01]

 「特定の場所や端末に制約されないことが重要」というのは「自由原理主義」である「PC=純インターネット系」の考え方の特色だと思います*4

 ですが、現実にはKindleiTunesで充分だと判断している人が多いわけで、実は制約があっても全く問題がないんですよ。

(また、「自由原理主義」の方々は今後も「自炊」していれば問題ないと思います)

 余談ですが、普段は「PC=純インターネット系」「自由原理主義」的な発言をしているのに「Kindle」「iTunes」を絶賛する発言を平気でするような人は、無自覚にダブルスタンダードなのだと思いますので、信用できないと思っています。

*1:この点については「ケータイだと沢山あるよ」というツッコミを返そうと思ってた。それにしてもなんであれだけあって成立してるのかはちょっと気になる。

*2:ただ、「中間フォーマット」が1種類である必要はない気もします。

*3:少なくとも端末価格分は割高になるでしょうし。

*4:「PC=純インターネット系」などの用語についてはこちら(やこちら)を参照してください。