『創』2010年6月号を買ったよ。例年より1ヶ月遅れの漫画特集号でした。

『創』2010年6月号を買ったよ。例年より1ヶ月遅れの漫画特集号でした。

 かなり端折って書きますので、詳細が気になった方は購入されてはいかがでしょうか。

(下記には書きませんが、表現規制の件も多少載っています)

 というわけで、まずは先日書いた与太話の訂正です。

  • 10年前のCDの売上は漫画より大きかったけれど、今は漫画の半分以下
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――と書きましたが、2009年の漫画(書籍・雑誌)の売上は約4,200億円とのことですので、「半分以下」ってのは間違いでした。

 また、漫画の10年前の売上は約5,400億円程度だったみたいので「現状は配信分の売上が伸びている」って部分も間違いになります(2割減くらい。ちなみに、8年連続のマイナスだそうです)。

(ソースは『創』2010年6月号p.28)

 漫画は雑誌の売れ行きが落ちてるのが厳しい印象です。おかげで新作はなかなか売れないし、売れるのはメディア展開した作品ばかり――みたいな感じになっているように見えます。

 露出を増やすために各社ウェブ展開を頑張っているようですが、まだまだ成果はないみたいですし。

 ケータイ漫画の売上が載ってるかな? と思って期待していたのですが、予想が載ってただけでした。2009年の売上予想は全体で500億円、漫画(ケータイ・PC)のみで400億円の予想だそうで、2008年からあまり伸びていない見込みのようでした。

(ソースは『創』2010年6月号p.42)

 これはキャリアの規制(フィルタリング強化)があったから、みたいです――まあ、Appleじゃなくてもこういうことはあるわけです。

 ケータイ向けのエロ漫画をどれくらいと予想しているかは人によるとは思いますが、講談社集英社では売上トップ10の作品タイトルを見ると「青年・少年向け」「女性・少女向け」でほぼ半々です。「青年・少年向け」のタイトルからすると「エロ漫画」はないです*1。「女性・少女向け」はタイトルからして「エロ漫画かな?」と思えるものもありますが、全部ではありません。仮に「女性・少女向け」全部をエロ漫画と仮定しても半分程度のように見えます――少なくともメジャー出版社は。

 また、紙媒体では「女性・少女向け」作品が上位にほとんどありませんから、先日書いたように書店の売上と比べると女性向けのシェアの大きさが際立ちます*2

 ちなみにキャリアの規制で『ToLOVEる』が引っかかり、公式サイトにフィルタリングがかかっていたそうです。恐ろしいですね。

(ソースは『創』2010年6月号pp.44-47)

 そうそう、「ケータイ向けはエロ漫画ばかり」との印象があるのはたぶんアフィリエイトのためですが、これは「アダルト系サイトに広告を載せて電子書店に呼び込むと結構売れた」からのようです。今はキャリアから「アダルト系サイトに広告を貼るのはNG」みたいな通告が出ていて、それらは減っているようです*3

 詳しくない人のために念のために説明しておくと、ケータイサイトにある「エロ漫画」は成年マーク付きみたいな感じじゃないですし、紙媒体のものに比べてもかなり修正が入っているらしいです。台詞の「セックス」や「体液表現」を消すように言われたりしてるそうな。

(ソースは『創』2010年6月号pp.44-47)

 ――ってな感じで。

 読み間違いもあると思うので、できれば『創』2010年6月号を確認してくださいな。

*1:が、『ToLOVEる』『いちご100%』が上位にきていたりします。

*2:ちなみに双葉社では7割が女性読者とのこと。

*3:なので、アダルト系以外に積極的に出稿しているのかもしれません。