最近ブログがつまらない

最近ブログがつまらない

――という話題をいまさら見かけて下記を思い出した*1

 しかし、コミュニケーションというのは、情報の送り手と受け手の共同作業である。送り手の側が「わたしは好き放題に喋るから、信頼できる情報とそうでない情報を吟味してより分けるのはそっちで勝手にやってね」と受け手の側に丸投げしてしまうと、受け手の側の負担が増えるばかりである。情報の送り手もまたいつも送り手なわけでなく、他の情報については受け手になるわけだから、受け手にばかり選別の負担がかかる仕組みは結局、誰にとってもあまり望ましくない。

 そこで、本書では、クリティカルシンキングというものを、情報の送り手と受け手両方の共同作業の中で、社会において共有される情報の質を少しでも高めていくためのものの考え方、としてとらえる。(後略)『哲学思考トレーニング』 p.15

 ここに書かれている「わたしは好き放題に喋るから、信頼できる情報とそうでない情報を吟味してより分けるのはそっちで勝手にやってね」というのは、そのまま今のブログ圏にあてはまるんじゃないのかな。ほとんどみんな投げっぱなしのように見えるし*2、「情報の送り手と受け手の共同作業である」コミュニケーションが成立しているようにもあまり見えないし。逆に「つまらなくないよ」という方々はここで書かれている共同作業がちゃんと行なわれているのでしょう。

 ブログが流行りはじめの頃はこの本で書かれている「(哲学的)クリティカルシンキング」が期待されていたような気がするし、その期待に現状では応えられてないように思います。

 ちなみに、本当に「受け手にばかり選別の負担がかかる仕組みは結局、誰にとってもあまり望ましくない」のかどうかは、哲学者よりも経済学者の判断を待つべきだと思います。

 あと、今は『図書館戦争』を読むのに忙しくて『哲学思考トレーニング』は読み終えてませんのでよろしく。

*1:たまたま最近読み始めたので。

*2:有名どころのブログとかは特にそう見える。