購入の検討に値する電子書籍

購入の検討に値する電子書籍

 ちょっと前に「富士山マガジン、IT技術誌「Software Design」デジタル版を発売」という記事を見かけて「相変わらず出版社はやる気ねー」とうんざりしたわけですよ。

 この手のやつにはだいたい

 雑誌のデジタル版は、紙媒体と同じ感覚でページをめくれる機能や、中身を丸ごとキーワード検索できる機能、視線の流れに沿って読むエリアを自動拡大する「ラク読み機能」などが搭載されており、記事単位での付箋やメモ、ハイライトも可能だ。

みたいなウザい機能が付いてて「紙媒体と同じ感覚」を目指すんだけど、だったら紙媒体のほうがいいに決まってじゃん。はっきり言って無駄だと思うんだけど、出版社の(あるいは編集部の)エライ人的には「紙媒体らしさ」は必須らしい。

 無駄な点には目をつぶって検索性が良ければ「電子化して良かったね」とか思うんだけど、下手すると全く検索できなかったりするし*1、これで「電子書籍を販売してます」とか言われても「おまえら売る気ないだろ」としか思えない。

 そもそも紙媒体で使うデータを使い回してる時点で基本的には紙媒体に劣るものしかできないのだよ。それでも電子媒体である利点を使ってもうちょっと工夫をすれば「買ってもいいかな」と思える可能性はあるのに。

 例えば。

 書籍は版によっては微妙に変更されているのだけれど――主に誤字脱字の修正とかでね――そういったのもを入手するには買い直すしかない。交換とかしてたらコストがかかって現実的じゃないしね。でも、電子媒体ならこれは簡単だ。専門ツールを使わせるくらいなら「自動アップデート」くらい対応すべきでしょ。

 あるいは、「改訂版」を値引き販売するのも電子媒体なら簡単だから是非やるべきだ。っつーか「ヤバい経済学(増補改訂版)」の「増補」部分だけ売れよ! パソコンソフトならバージョンアップ対象だろ! もし「ヤバい経済学」が電子出版されていてバージョンアップ対象なら「電子版にすれば良かった!」と思ったかもしれない。

*1:この点で「WEB+DB Press」がPDFにしてるのはマシだと思う――あれはテキスト付きのPDFだよね? 実は違ったりする?