RSSやその周辺技術がようやくパソコン通信時代の「自動巡回ツール」*1に追いつこうとしているのかもしれない。
RSSやその周辺技術がようやくパソコン通信時代の「自動巡回ツール」*1に追いつこうとしているのかもしれない。
ニフティ(旧・NIFTY-Serve)がパソコン通信サービスを終了するということで、たぶんあちこちでパソコン通信時代の思い出話が書かれるのだろう。
そんな思い出話のひとつに、こんなことが書かれていた。
NIFTY-Serveのような、テキストベースのログにしか過ぎないコミュニティに、人々がなぜあれほどまでに没頭できたのかと言えば、優秀な巡回ツールがあったからである。Windowsでは「NifTerm」、Macでは「ComNifty」+「魔法のナイフ」+「NIFTY-J ぞーさん」+「茄子R」という組み合わせが定番であった。「パソコン通信」とは何だったのか
確かにNIFTY-ServeにしろPC-VANにしろあるいは草の根BBSにしろ、当時は自動巡回ツールを使うのが当たり前だった。そうでなければお金(電話代)も時間もかかってしまうので、それらのツールなしではやってられなかったのだ*2。
それから時代が経ってインターネット(というかWWW)が主流になって何が困ったかといえば、情報入手に伴う時間コストの増大である。常時接続が当たり前になったおかげで電話代は気にしなくて良くなったが、変わりに時間コストが大幅に増えた。
これは情報ノイズの増加もあるが、それよりも効率よく情報を収集する手段がなくなった、というのが大きいように思われる。
その意味でRSSやAtomは、ひょっとするとパソコン通信時代の「自動巡回ツール」になりうるかもしれない*3。逆に言えば、今のWWWは自動巡回ツールの無かった頃のパソコン通信時代よりも劣っている、とも言える。
こう考えると、なんだかんだ言われながら(言いながら)2ちゃんねる利用者が多いのは、2chブラウザの影響も大きいのではなかろうか。
――とは言うものの、パソコン通信に慣れていた人々(の一部)は、ウェブをあちこち巡るより2chブラウザでスレをざっと眺めるほうがなじみ深かっただろう。
そんなわけで、インターネットは「パソコン通信」の良かった部分にまだまだ追いついていないトコがあるので、もうちょっとなんとかならないかなー、と思う今日この頃。
そんな難民にとって、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の存在が、インターネット上のNIFTY-Serveに見えたことは想像に難くない。インターネットとはそもそも垣根が取り払われた存在だが、そのなかに改めて垣根を作ったという意味で、画期的であった。
――とあるけれど、実際にSNSを使った感想では「2chのほうがまだNIFTY-Serveのフォーラム近い」と思うしね*4。
おまけ:なぜブログよりパソ通的掲示板(BBS)や2chのほうが楽しいか
おそらく書込みにリアクションがあるから、でしょう。あるいは他人の書込みが存在しているということは、おそらくは自分の書込みを読んでいる人がいる、と思えるから。
ホームページやブログがなんだかんだで飽きるのは、他人のリアクションがないからでしょう。だから「カウンター」「アクセスログ」「コメント」等々を気にするわけで*5。
そういうのを気にするなら、2chその他で書き込んだほうが多くの人に読んでもらえる可能性が高いし、リアクションのある可能性も高い。