海賊版を擁護する理由が分からない

海賊版を擁護する理由が分からない

 まあ「泥棒にも三分の理」であるから、言い様はいくらでもありますが*1

 コンテンツの海賊版*2を擁護してる人が泥棒・搾取を正当化してるということに自覚的でないのがちょっと気になる。

 例えば、アンチDRMの人的には海賊版こそ悪の権化であるはずなのに――そもそもDRM海賊版への対策として「仕方なく」施されているのだから、海賊版がなくなればDRMもなくなる可能性は高いわけですよ――何故かそういう人が海賊版を支持していたりもする。

 そういう人は結局「コンテンツに金を払いたくない(=価値はない)から海賊版を使わせろ」ってことでしょ? でも本当に「価値がない」と思っているのなら「使わない」はずなので、そうであるなら「価値は認めるけど、お金は払いたくない」ってことで、それはつまり泥棒・搾取なわけですよ。

 そもそも「お金を払いたくない」のであれば、無料で利用できたり自由に利用できたりするコンテンツがあるのだから、そういったものを利用すべきでしょう。あえて「有料で提供されているもの」の海賊版を利用するのはただの泥棒・搾取でしょ? なぜそれに気づかないのかな?

 「GPLを守れないならGNUソフトウェアを使うべきでない」のと同様に、「お金を払いたくないなら有料のコンテンツを利用すべきでない」でしょう。

 他にも「海賊版利用者が将来的に正規利用者になる可能性」なんて語られたりもしますが、はっきり言ってそんなものに意味はないです。「将来の100万円」より「現在の100万円」のほうが価値が高いですし、おそらく「現在の10万円」のほうが価値が高いです――というか、「不確実な将来の100万円」なんて「価値ゼロ」とイコールでしょ。

 「多くの人に無料で利用されることで価値が高まる」と思うのであれば、そう思う人がコンテンツ制作者にお金を払って(権利を買い取って)無料で配布すべきであって、海賊版を配布すべきではありません*3

 「海賊版を使っても損失はない」と言うけれど、可処分時間が一定であるとすれば海賊版が使われた分だけ「正規版の無料・自由利用コンテンツ」が使われなくなるため、海賊版は損失を生んでいるのですよ。

 ――というわけで、海賊版の利用はコンテンツ制作者および正規利用者からの一方的な泥棒・搾取であって、それ以上ではないってことをいい加減自覚して欲しいです。

*1:それこそ25年くらい聞かされてるので。

*2:割れ、デッドコピー、不正複製――まあなんでもいいけれど。

*3:実際そうしている人達もいるので、海賊行為はそういう人達にとっても邪魔なだけです。